イラストレーターには「クリッピングマスク」と「不透明マスク」の2つのマスク機能がありますが、フォトショップのように同じメニューにないので、いつも使うときに迷ってしまいます。
この記事はそんな時にマスクを簡単におさらいできるものがあればいいなと思って書きました。種類、操作方法、特徴を比較できるように簡単にまとめてあります。
基本的なことしか書いてませんが、本格的に勉強する前にマスクのことをさらっと知っておきたい人、使い方をちょっと確認したい人にお役にたてればうれしいです。
それではまず「クリッピングマスク」から紹介します。
クリッピングマスク
しくみ
クリッピングマスクとは、上レイヤーの閉じたパスの外側が下レイヤーをマスクする機能のことです。パスの形に下レイヤーが見えます。
上の例では、上レイヤーのオーストラリア大陸の形をしたパスで中間レイヤーのオーストラリア国旗をマスクします。
パスの外側がマスクされるので、上レイヤーのパスの外側の形に中間レイヤーのオーストラリア国旗が切り取られて、下レイヤーの世界地図が見えてます。
上レイヤーの「閉じたパス」にグラデーションが適用されていますが、クリッピングマスクでは何も影響しません。
設定方法
- レイヤーパネルでマスクされるレイヤーの上にマスクするレイヤーを配置し、両方選択します。
- メニューバーの[オブジェクト]→[クリッピングマスク]→[作成]を選択します
短所
- グラデーションを表現できません。
- マスクするレイヤーに配置できるのはパスのみです。
不透明マスク
しくみ
不透明マスクとは、上レイヤーの閉じたパスの内側が下レイヤーをマスクする機能のことです。マスクはパスに適用されたグラデーションの濃度によって透明度が変わり、グレースケールで黒に近いほど下レイヤーが見えます。
上の例では、上レイヤーのオーストラリア大陸の形をしたパスで中間レイヤーのオーストラリア国旗をマスクします。
パスの内側がマスクされるので、上レイヤーのパスの内側の形に中間レイヤーのオーストラリア国旗が切り取られます。ただしパスには同心円状の黒白グラデーションが適用されているのでマスクの透明度が変化して、中間レイヤーが見える部分と下レイヤーが見える部分が同心円状に交互に現れています。
不透明マスクでは「閉じたパス」以外のマスクは透明パネルで切り替えることができます。今回は「閉じたパス」以外はマスクしないを選択しているので、中間レイヤーのオーストラリア国旗がマスクされずに表示されています。
設定方法
- レイヤーパネルでマスクされるレイヤーの上にマスクするレイヤーを配置し、両方選択します。
- 「透明」パネルのパネルメニューから「不透明マスクを作成」を選択します。
長所
- マスクするレイヤーには写真などビットマップ画像も配置できます。
- 「透明」パネルの「クリップ」をチェックすると、マスク範囲以外をマスクします。(クリッピングマスクと同じように閉じたパス以外をマスクします)
- グラデーションを表現できます。
フォトショップ版を書きました。あわせてどうぞ!